中堅~大手サイトに「お金を払うので私のコンテンツをあなたのサイトに置きたい」という営業が広範囲に行われています。
指定されるコンテンツを置くだけで毎月固定額の報酬の他、そのコンテンツから発生したアフィリエイト収入の数割を払うという好条件が提示されていて、検討する会社も多くあるようです。これは2019年頃からごく一部の大手サイトで見られましたが、最近ではその営業を行う会社も増え、地方のメディアや地場企業などにも同様の営業が増え、拡大を続けています。
わたしはこの試みを、それぞれのサイトに寄生して価値を吸い取ろうとする「寄生サイト」と呼んでいます。
これは寄生される側に大きなリスクを伴います。自社サイトが大きなダメージを受ける可能性が高いため、検索流入が必要な場合この営業は絶対に受けてはなりません。
この記事では「寄生サイト」がどういう経緯で生まれたのか、そしてそのリスクについて説明します。
(株式会社so.la 辻正浩)
前提:サイト単位評価を重視するGoogle
寄生サイト問題を説明するために、まず医療関連の誤情報が流布されたWELQ騒動や、海賊版サイトが上位表示された漫画村問題、そしてフェイクニュース問題などにGoogleがどのように対応したかを解説します。
www、World Wide Web上には「誤った医療情報」「フェイクニュース」「海賊版」など、大きな問題あるコンテンツがあふれています。ただGoogleは情報の正誤・思想の種別などを検索順位に影響させません。検索エンジンが多様な意見がある情報の正誤を定めるのは極めて危険なことですので当然の対応でしょう。しかし深刻な領域において多くの人に影響する誤情報を検索エンジンが拡散するべきではありません。その問題への対応のためGoogleは様々な対応を進めていますが、その最大のものは「サイト単位での信頼性評価の重視」です。
2017年頃よりGoogleは、深刻な情報を探す検索結果ではアルゴリズムで算定したサイト単位での信頼性・権威性などを検索順位に大きく影響させるようになりました。
このアプローチで、誤った医療情報やフェイクニュース、海賊版の問題はGoogleの検索結果で大きな改善がされました。
ただ、同時に別の問題も生まれました。個人などが発信する一部の有益な情報も検索されづらくなったのです。
誤った医療情報を流布するWebサイトが表示されづらくなったものの、個人ブログの闘病記や個人として良い情報を発信する医師、小規模医院の情報発信も検索結果では表示されづらくなりました。
映画・アニメ作品名で検索しても海賊版は滅多に表示されなくなったものの、良質な小規模Webサービスや個人のレビューブログも検索結果で大きく順位を落としました。
コロナワクチンを検索しても、日本各地の地方自治体の発信する情報ばかりで上位は占められ、多くの人がが知りたい情報が表示されない状態も見られます。
しかし「深刻な誤情報が多くの人へ流布される問題」と「一部の問題ないサイトが一定の検索語句で表示されづらくなる問題」の両立が技術的に難しいのであれば、前者を重視するGoogleの選択が誤りとは思いません。
どのような素晴らしい情報を発信するサイトであっても、それが最近開設されたサイトであれば突然品質が落ちることはよくあります。個人や小規模な団体が運営するサイトでは、ドメインが失効して運営者が変わったりハッキングされて悪質な業者に乗っ取られて悪質な情報が掲載されることもよくあります。信頼出来る検索結果のために、深刻な情報を探す検索結果でサイト運営団体の信頼性を重視する考えは仕方がないものでしょう。
今後、Googleの進化に伴い両立され問題は解決するのかもしれませんが、現状は理想ではなくても現実的に望ましい状態とわたしは考えます。
様々な目的でインターネットに悪質な情報を流そうという人が増え続け、検索結果において信頼出来る情報が特に求められる昨今。インターネットユーザを悪質な情報から守るために、どのようなサイトから発信される情報かが検索順位に大きく影響を与える流れは今後も続くものと考えられます。
サイト評価の重視から生まれた「寄生サイト」
Googleがサイト単位の評価傾向を強めた結果、深刻な領域の検索結果で個人運営サイトなど小規模サイトが非常に表示されづらくなりました。
ここで言う深刻な領域は[がん][コロナ]といった医療領域だけではなく財産に関わる領域、[キャッシング][ウォーターサーバ」といった、いわゆるアフィリエイト広告が多く行われ上位表示させることで大きな利益をあげられるジャンルも多く含まれています。
そのため、一部の企業・個人がアフィリエイト広告の収益を上げるために、信頼性を持ったサイトを間借りして自社コンテンツを展開する「寄生サイト」を始めたのです。
最近は毎月のように寄生サイトの営業が届く大手サイトもあります。
寄生サイトの契約はコンテンツ制作や更新を掲載を依頼する企業が行った上で、固定費及びそのコンテンツから発生した売上の数割を支払う契約が一般的です。
その支払金額は、企業・サイトによって異なりますが、月額数十万の固定費に発生売上の1~4割程度の成果報酬という高額なケースを多く聞きます。
営業を受けたサイトにとっては、一切手を動かさずに最低でも毎月数十万、うまく行けば毎月数百万の売上が入りうることで、とても美味しい条件のように見えます。
しかし、当然ながらタダで美味しい話が転がっているはずがありません。
この「サイトへの寄生」を受け入れることは、自社サイトへ大きなリスクを抱え込むことになるのです。
寄生サイトを受け入れるリスク
寄生サイトを受け入れる問題は、数年前から海外で多く見られ、2019年の段階でGoogleは下記のように警告を行っています。
We’ve been asked if third-parties can host content in subdomains or subfolders of another’s domain. It’s not against our guidelines. But as the practice has grown, our systems are being improved to better know when such content is independent of the main site & treat accordingly.
— Google Search Central (@googlesearchc) 2019年8月14日
(辻意訳)サブドメインやサブディレクトリに第三者のコンテンツを掲載できるかという質問を受けました。それはガイドライン違反ではありません。しかしこのような行為が広がると、Googleはそのようなコンテンツがメインサイトから独立していることをより良く理解し、それに応じた処理が行えるように改善されています。
Overall, we'd recommend against letting others use subdomains or subfolders with content presented as if it is part of the main site, without close supervision or the involvement of the primary site.
— Google Search Central (@googlesearchc) 2019年8月14日
(辻意訳)全体として、厳重な監視や関与なしに、サブドメインやサブディレクトリをメインサイトの一部であるように振る舞う形で使わせないことをおすすめします。
Our guidance is if you want the best success with Search, provide value-added content from your own efforts that reflect your own brand.
— Google Search Central (@googlesearchc) 2019年8月14日
(辻意訳)もし検索で最高の成功を収めたいのであれば、自分自身のブランドを反映した、自分自身の努力による付加価値のあるコンテンツを提供するべき、というのが私達の指針です。
このように2019年夏からGoogleは、他社にサブディレクトリを貸すことを止めるように推奨していますが、寄生サイトの営業を行う悪質な会社は、この事実を伝えることはなく、リスクはほぼ存在せずに成果をあげられると説明しています。
必ずしもGoogleのすべての説明をそのまま信じられるわけではないでしょう。しかし今回はGoogleの警告は正しいものです。過去の経験および、直近のデータから考えると、確かにこれは大きなリスクある行為だということがわかります。
寄生サイトのリスクをここで説明いたします。
効果は出ても短期間
寄生サイトは実際に順位が上がるのでしょうか?
はい、上がります。現状、多くのケースで順位上昇しています。
たとえばアフィリエイターを中心に非常に多くのサイトが上位表示を目指して競い合っているキーワード[マッチングアプリ]でも自動車店のサイトの下層ディレクトリに配置された比較サイトが一位表示を長期間続けています。
2022年1月現在、寄生サイトによって上位表示を達成されている検索語句は非常に多く確認できています。
ただ最近では、その効果は短期間ですぐに評価が落ちる傾向があります。
とある大手新聞社がウォーターサーバーのアフィリエイトに寄生された際の順位の動きを紹介しましょう。
こちらはまず、2021年5月にサブドメイン(waterserver.*****.com)での寄生が始まりましたが、あまり順位が上がりませんでした。そこで2021年8月にサブディレクトリにコンテンツが移動されました。
現在、多くの場合でサブドメインは別サイトとして判定されますが、サブディレクトリでは同じサイトとして評価されるものです。
コンテンツは基本的に変わらない中、場所が変わるだけでここまで順位が上がっており、寄生サイトの効果が確認できます。特に「大手新聞社」のような価値あるサイトの場合、大きな効果になりがちです。
しかし、それはずっと続きません。その後の順位を追うと、多くのキーワードではこのように下落傾向が続いています。
今後もずっと徐々に落ち続けて検索結果で見なくなるか、コアアップデートのタイミングで大きく落ちる、という流れになると推測されます。
次のデータです。
これは、ニュースや女性向け情報サイト、転職サイトなどを提供する大手ポータルサイトの寄生サイトのデータです。まず2020年10月にこのポータルの女性向けサイトにクレジットカードコンテンツが寄生し、難易度が高いキーワードを次々と1~2ページに表示させます。ただ、一部の検索語句を除き徐々に落ちていきます。
そこで次は女性サイトからより信頼性が高いニュースサイトに寄生先を変更。その結果、急激に順位を伸ばします。
ただこちらもやはり多くの検索語句では徐々に落ち続けています。
いまもある程度高い順位にいる検索語句もありますが、寄生サイトの下落傾向は続いていますので、こちらも徐々に落ちるか、コアアップデートで急激に落ちることになるでしょう。
上記のように非常に強いサイトが寄生された場合、短期では効果を上げることが多いです。ただ最近では、大手サイト以外では短期でも成果が出ないケースが増えています。
寄生サイトに対するGoogleの対策は2年前から行われ、強化が続いています。労力をかけて始めたとしても、成果報酬の金額は期待したようなものにもならない可能性が高いといえます。
では、寄生サイトは「効果が出ないか、出てもすぐに落ちる」だけでしょうか?それならば固定費を得られますので寄生される側のサイトには得しかありません。
いえ、そうではありません。寄生先サイトにも明らかなネガティブな効果が見られます。
そのネガティブな効果は、特に巨大サイト以外で強く見られます。
中規模サイトには特に大きなリスク
Googleは、基本的にページ単位でテーマを判定していますが、サイト単位のテーマも踏まえて順位付けを行うことが多くあります。
このサイト単位のテーマは様々な形で判定していますが、そのうちの一つとして、サイトの流入キーワードの傾向があります。
実際のケースを一つご紹介します。
SEOに注力していたベビーシッターサービスを展開していた比較的新しいサイトで、サービス紹介ページが[ベビーシッター 費用]などの検索語句で安定した上位表示が取れている所がありました。しかし更に検索流入を拡大しようとしたのかサイト内のオウンドメディアで「おたふくかぜ」など深刻な医療・健康情報の記事を公開するようになっていました。
そして訪れるのが2020年1月のコアアップデートです。
コアアップデートでは医療・健康関連のサイトは大きな影響を受けがちです。開設から1~2年しか経っておらず、まだ信頼されていないこのサイトの深刻な育児情報は下記表のように大きな検索順位下落が発生します。
そのとき、ほぼ同じタイミングで育児サービスのページも同様に下落してしまいます。
このように、ずっと順位が安定していたサイトでも、センシティブな情報を多く扱うことで、サイトのメインコンテンツではないとしても、サイト全体に悪影響となるようなケースは多く見られてきました。
寄生サイトは、そのほとんどが健康や財産に関わる情報を取り扱います。
膨大な検索流入を持つ巨大サイトが寄生されてもその流入比率は僅かですので、この理由で全体に大きな悪影響があることは少ないです。
ただ中規模サイト、小規模サイトにコンテンツが寄生された場合、検索流入の数割を寄生サイトが占めることになり、その結果サイトのテーマ認識が変わってサービスの主要キーワードでの順位下落や、場合によってはサイト全体の評価が落ちることがありえます。
最近、地方のホテルや新聞社など大手サイトへの寄生サイトの影響が非常に増えています。そして今回説明したようなリスクはいろいろな所で既に発生しています。ご注意ください。
サイト全体の評価に悪影響
寄生サイトは特に中規模サイトに悪影響が見られますが、大規模サイト、巨大サイトへの悪影響が無いわけではありません。
高い信頼性を持つ巨大サイトが寄生サイトによって、サイトの信頼性を大きく落とすことはありません。ただ、明らかに寄生サイトを受け入れることでサイト全体への悪影響となった事例が複数あります。
2021年11月のコアアップデートから12月中旬にかけて大きな変動が4回に渡って発生しましたが、そのうちの3回目の変動では明らかに寄生されたサイト全体が共通した下落となりました。
コアアップデートでは多くのサイトの変動が発生するため必ずしも寄生サイト施策だけが原因とは限りませんが、全体の順位データから考えると、明らかに影響があると私は考えています。
Googleは2年前から寄生サイトへの対応を行っていますが、寄生サイトを行う会社は先のクレジットカードの事例のようにサイトロンダリングを繰り返すなど様々な対処を行いGoogleの対処を逃れようとしています。それに対する対策としてGoogleが寄生先サイトへの何らかのネガティブな対応をすることは、全く予想に難くないことです。
そもそも検索結果から誤った情報を減らすための信頼性重視の取り組みと「サイト貸し」という行為は正反対の行いです。
運営団体がどれだけ信頼されていても、厳密な審査・調査も無く第三者に貸しだされるサイトを信頼して良いはずがありません。
Googleの寄生サイト対策はどんどん厳格になってきています。現在でも十分に対策は行われていますし、今後は更に大きくなっていくでしょう。
残念なことに、寄生サイトを受け入れているサイトの中には、日本のインターネットの価値を大きく増すような非常に素晴らしい所もあります。例えば冒頭で紹介した新聞社やニュースポータルサイトは非常に有益な情報を日々発信されていて、多くの人から信頼される素晴らしいサイトです。そのようなサイトを運営する団体が気軽に大切なサイトを貸し出すことで自らの信頼性をドブに捨てています。この状況はとても悲しいことです。
寄生サイトの拡大で起きる問題
寄生サイトのリスクを説明してきました。
もしかすると、営業会社が十分に説明を行い寄生サイトのリスクを認識した上で選択するのであれば問題は無いと思われる方もいるかもしれません。しかしそうも言えません。
これまでも様々な検索エンジンを騙そうとする行為はありました。人工リンクは10年程前まで幅広く使われていましたし、最近でもコンテンツスパムやGoogle Maps関連のスパムが広がっていて問題になっています。
ただ、今回の寄生サイトの問題はこれまで蔓延したスパムとは違う点があります。
これまでのスパムは、スパマーだけが利益とその後の悪影響を受けます。しかし寄生サイトでは、悪事に手を染めたサイト以外、通常の運営をしているサイトへの悪影響が大きいのです。
先にも申しました通り、寄生サイトの問題は米国等では数年前からありましたが、Googleの警告などもあり、いまは米国では明確な寄生サイトは少なくなっています。
しかし日本では、なぜか2021年になって寄生サイトが広がりだしました。
Googleは基本的に世界で一つのアルゴリズムで対応しようとします。しかし、特定の手法が特定の言語・地域で特に流行した場合、その言語・地域だけ、特定のアルゴリズムを強く導入することがあります。特に日本で寄生サイト対策が進むと、どのようになるのでしょうか。
もう一度、2年前のGoogleの警告を見てみましょう。
We’ve been asked if third-parties can host content in subdomains or subfolders of another’s domain. It’s not against our guidelines. But as the practice has grown, our systems are being improved to better know when such content is independent of the main site & treat accordingly.
— Google Search Central (@googlesearchc) 2019年8月14日
(辻意訳)サブドメインやサブディレクトリに第三者のコンテンツを掲載できるかという質問を受けました。それはガイドライン違反ではありません。しかしこのような行為が広がると、Googleはそのようなコンテンツがメインサイトから独立していることをより良く理解し、それに応じた処理が行えるように改善されています。
このように、Googleは寄生サイトをメインサイトとは分けて評価出来るようにするアルゴリズムを2年前から強化しています。
現状はこれまで見てきた通り、寄生サイトに一定の効果が出てしまっています。これは、寄生サイトとメインサイトの区別が簡単にはできないからでしょう。Googleは、広範囲で発生した問題に対しては特定サイトを手動で落とす処理を滅多に行わず、アルゴリズムで寄生サイトを検出して信頼性を評価しない処理を行います。そのため一定の寄生サイトは検出から漏れてしまい、普通に評価されることになります。
寄生サイトが増え続けることで、Googleは日本の検索結果ではこの検出アルゴリズムを強化して、検出漏れを防ごうとするはずです。その結果、寄生サイトは更に成果を出しづらくなりますが、同時に寄生サイト以外を寄生サイトとして誤判定するケースも増えることになります。
自分のサイトで普通に作ったコンテンツであっても、Googleがメインサイトとは関係ないコンテンツと判断して評価しないようなケースが増えてしまうのです。
企業が自社サイト内のオウンドメディアで自社の事業を紹介する記事を書いても全く検索されないことが増えるかもしれません。
いつもスマホについて書いているブロガーが、たまにグルメについて記事を書くと全く検索で評価されないようになるかもしれません。
寄生サイトの手法でGoogleを騙そうとするサイトが日本で増えることで、日本のまっとうなコンテンツも検索されづらくなることに繋がります。
寄生サイトは寄生先のサイトに寄生するだけではありません。日本のインターネットに寄生して、日本のインターネットでの情報発信を阻害する敵です。
寄生サイトの営業は拒否してください
この記事で申したいことは一つです。
「寄生サイトの営業は拒否してください」
それは貴方にとってハイリスク・ローリターンなだけではなく、多くのサイトに迷惑をかける悪質な行為です。
最近、地方にこの営業が広がっていることを、わたしは大きな問題と考えています。
「地方企業の知識の少なさに付け込んて騙すSEO関連企業」という構図はこれまでも多くありましたが、これは最新の問題です。
日本全国から情報が発信されて世界中に届くことは、インターネットと日本の魅力を増して多くの人の利益につながる素晴らしいことです。しかし悪質なインターネット関連会社に騙されて「騙された。ネットはもうこりごり。」となってしまう地方の会社をこれまで多く見てきました。
どうにかこの問題を周知し、騙される会社を減らしたいと思います。
寄生サイトの営業を受けた話を聞きましたら、ぜひこの記事を転送していただきたく思います。また、既に契約してしまった企業がありましたら直ちに解約すべきですので、この記事をご紹介ください。
もし契約済みの企業さまで、寄生サイト運営会社に解約が拒否されるなどでお困りでしたら、(非弁行為にならない範囲の対応になりますが)無償でご相談に乗ります。ご連絡ください。
寄生サイトはガイドライン違反ではありませんし、多くの場合違法行為でもありません。寄生サイトを主導するインターネット関連会社がまた書類送検されることなどはきっとないでしょう。ただ寄生先サイトへのダメージだけではなく、信頼できるインターネットを阻害する事で、多くの人に迷惑を掛ける悪質な行為だという認識を持って対応いただきたいと思います。
2016年から誤った医療情報の流布やフェイクニュースなどが社会問題となり、インターネットに信頼性を求める流れが続いています。
それは良いことばかりではなく現状が理想とは言えません。しかし大きなシェアを持つGoogleが信頼性を重視した対応の準備を事前に進めていたことで、コロナ禍で誤った情報はすぐに検索されづらくなりました。それが多くの人が正しいコロナ情報を身につけられた要因の一つだと私は考えます。
インターネットに信頼を求める流れは私たち全員の安全のため促進していくべきでしょう。
ただ、多くの人の生命と財産を守る検索結果に向けた検索エンジンの試みを阻害する悪質な団体が増えた場合、インターネットは危険で不便なものになります。
今回書いてきました寄生サイトは、インターネットを危険で不便なものにする第一歩です。
信頼できるネット検索はGoogleに任せるものではありません。それぞれの人が出来ることで悪質な試みを行う会社を排除していくべき、そのように私は考えます。
どうか騙されそうな会社の人にも、騙そうとしている会社の人達の良心にも届いて欲しいと思います。