新年のコピーライト年度更新、おすすめの方法

あけましておめでとうございます。 このブログを読んで下さっている方々、本年はこれまで以上に更新をしていこうと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

さて、年が明けて最初の仕事はフッターのコピーライト年号変更という方も少なくないのではないでしょうか。 私は、コピーライト年号は「(開設年)-(現在年)」という形で、現在年部分を自動更新にするのがベストでは、と思っています。 このコピーライト表記を勧める理由と簡単な設置方法をご紹介します。

コピーライト表記の本来の目的

そもそも、このフッターのコピーライト表記は何のために入っているか、どうして入れないといけないかご存知でしょうか。

実は今、コピーライト表記を入れる意味は、ほとんどありません。 本来、コピーライトを入れる目的はとても複雑でした。そもそもの目的から考えてみましょう。

コピーライト表記で守られるべき「著作権」が発生するための方式として、国によって2つの異なる方式があります。「無方式主義」「方式主義」です。

無方式主義の国ではものを公開した時点で自動的に著作権が効力を持つ事になりますが、方式主義の国では所定の登録申請を行わないと著作権が効力を持たないのです。

日本など無形式主義の国の著作物の著作権を、方式主義の国で守るためには、所定の表記もしくは手続きをしなくてはならないとも言えます。それは面倒という事で、世界各国である条約が結ばれました。ベルヌ条約とその後の万国著作権条約です。

専門ではないのでちょっと理解が誤っているかもしれませんが、ベルヌ条約は加盟国が「無方式主義」となる条約になります。諸々の理由でベルヌ条約に加盟せずに万国著作権条約に加盟した国、方式主義の国では、無方式主義の国の著作物でも特定の決まりに沿った著作権表記がされていると著作権が発生するということになりました。

この、万国著作権条約で定められた表記が、今の一般的なコピーライト表記なのです。

この「万国著作権条約に加盟した方式主義の国」の代表はアメリカでした。影響力があるアメリカですので、以前は必ずコピーライト表記は必須だったのです。

しかし、1989年にアメリカはベルヌ条約に加盟して、著作権は無方式主義になりました。現在、方式主義の国はほぼ残っていません。そのため、著作権を守るためにコピーライト表記をつけたとしても利点はほぼない、と言える状況になりました。

つまり、コピーライト表記は以前は必須でしたが、今は殆ど意味が無い、ということになります。

万国著作権条約で定められた表記

方式主義の国に著作権を認めてもらうための万国著作権条約の表記は「著作権」「著作権マーク」「著作権発生年」が揃う必要があります。

著作権マークは、Webではマルシー「©」で表記されますが、表示が困難なときはカッコシー「(C)」で良い事になっています。 著作権発生年は、発生年であって、現在の年度ではありません。

つまり、コピーライト表記の本来の意義で考えますと、2009年に開始したこのブログでは、「© 2009 辻正浩」だけあれば充分ですが、この3点が無いと、本来の目的としては意味が無いことになります。

コピーライト表記の意義

コピーライト表記の本来の目的、必要な表記内容を説明してきました。 しかし現在、コピーライト表記を書く意味は、万国著作権条約に対応するためだけではないでしょう。

私は、下記の意味があると思っています。

作者の確認

コピーライト表記を見て、このサイトが誰が管理しているサイトなのかを確認する意味はあります。運営企業、などのページが無い場合、この部分を見て確認できることもあるでしょう。

作成・更新年度の確認

…Copyright 2005…などと記述されていると、古くから運営されているサイトということが分って、信頼感が増す事はあるでしょう。 「Since 1999」とか書いてあるお店のように、古くからの運営をアピールする事はWebサイトのイメージにもプラスになると思います。 さらに、…Copyright 2011…と記載されていると、更新が続いた死んでいないサイトという印象も付けられます。 …Copyright 2008…などと中途半端な年代で止まっていると、いい加減なサイト、と思われる事があるのかもしれません。

万国著作権条約の対応

万国著作権条約対応の意義はほぼ無いと書きましたが、昔からの決まりですし一応正しく守っておくと安心でしょう。 意味が無いから書いていないとしても、人によっては「コピーライトも無いなんて、このサイトの管理人いい加減だな!」などと思われるかもしれません。

みんなが使っているから

コピーライト表記でなにか主張をしてもしょうがない、と思います。 特に誰からもつっこまれない一般的な内容、可も無く不可も無くとしておくのが一番かもしれません。

望ましいコピーライト表記とは

上で述べました4点の意味を全て満たすコピーライト表記は、

Copyright (C) 2005-2011 Masahiro Tsuji All rights reserved.

という、開設年と最新年の併記ではないかと思っています。 万国著作権条約の3点を表示した一般的な内容としつつ、開設年と最新年の両方の記述で更新を続けている事と、古くからのサイトの場合はそのアピールも可能です。

この表示にする場合、最新年部分はJavascriptで記載しておく事で更新は不要です。 開設年はソースにそのまま書いておく事で、Javascriptが使えない環境や、getFullYearに対応していない古いブラウザでも、万国著作権条約で定められた本来のコピーライト表記を守る事も可能です。 ちなみに私のサイトの場合、下記のように記述しています。開設年と著作権者部分、URLを変えてご自由にお使いください。

Copyright(C) 2009
<script type="text/javascript" language="JavaScript"> 
<!-- 
TYnow = new Date();document.write( ' - ' + TYnow.getFullYear() );
// -->
</script> <a href="http://webweb.jp/" class="bb">辻正浩</a> All Rights Reserved.

今年のコピーライト年号更新にどうぞ

コピーライト表記を年の頭に変える事は、Web制作にとって年始の儀式のように思う方もいるでしょう。これを変えないと年が明けた気がしないという、以前の私のような方もいるかもしれません。 しかし、多くのサイトを管理するのに大変な人や、コピーライト表記は可も無く不可もなくでいいからひとつでもコンテンツを作りたい人にとっては、自動更新にしてしまうのが一番と思います。

2011年の最初の効率化として、コピーライト年号の自動更新化はいかがでしょうか?