Web担当者ForumミーティングでSEOについて話してきました

2012年11月8日にWeb担当者Forum主催のWeb担当者Forumミーティング 2012 Autumnで「悪のSEOに泣かないために」と題して話をして来ました。 Web担当者Forumミーティングの様子

内容は、Web担当者Forumで詳細をレポート頂いています。 ここまで詳細にレポート頂けるとは思っておらず、最初は燃えないか?攻撃されないか?と焦りましたが、いまの所カミソリのプレゼントや弁護士からの連絡も無いまま、多くの方にご覧いただけたようです。記事は大きく話題にもなりまして、Web担当者フォーラムのいいね!数のランキングにも出ている程でした。御覧頂いた方、シェアして下さった方ありがとうございました。

このセッションの詳細は上記記事をご覧頂くとしまして、お伝えしたかったことを簡単にまとめます。

このセッションでお伝えしたかったこと

最近、悪質なSEO会社に騙されて非常に大きな被害を受けたという話を多く聞いております。 悪質なSEOの問題は以前からありました。しかし、最近聞く話はさらに問題が大きく悪質になっているようです。

全てのSEO会社が悪いわけではありません。有益なサービスを提供している会社もありますが、あまりにその比率が少ないと感じています。また、そういう会社は私が今新規の仕事をお受け出来ていないように非常に多忙でしたり、費用が数百万円からという会社が多く、付き合える可能性は少ないです。また、SEOのプロでない限りは良いSEO会社、悪いSEO会社を見極める事も困難と思います。

今、SEO業界は大きな過渡期です。今後は良いSEO会社も増えていく事でしょう。 しかし今は過渡期で混乱している状況と思います。現段階では可能な限りSEO会社に頼らずに進めるべきと考えますし、SEO会社に頼る必要があるならば、多くの場合リスクに対する覚悟が必要ということを忘れてはいけません。

あまりにひどい話を聞くとSEO業界に席を置く者として申し訳なく思いますが、今は自衛するしかありません。少しでも騙される人が減れば良いと思っています。

Webマーケティング施策とサイコロ

サイコロ 最近、SEOの施策方針について相談された時に、サイコロの話をすることがよくあります。

ほとんどのWebマーケティング施策はサイコロのようなものだと思います。振る前からどの目が出るのかわかることはほとんどありません。

施策の内容や配慮によってそのサイコロの各面に書かれる数字は変わります。1から6が出る普通のサイコロなのかもしれません。1-4が出る4面ダイスかもしれませんし、1-100が出る100面ダイスかもしれません。 高い値が安定して出るようなサイコロは滅多にありませんし、大きな数字が出るサイコロを振るには高いコストが掛かりましたり、いくつかの面には負の値が刻まれている事でしょう。

さて、SEOのサイコロはどのようなものでしょうか。 SEO会社のサービスとして一般的な人工リンクのサイコロは、昨年まではゼロから数十まで値が刻まれていました。 しかし最近はそうではありません。数十の高い数値は減ってゼロの面が増えました。そして「-100」というような負の値が入ってきました。

以前は、どれだけ振っても最低値はゼロで、振るためのコストを損するだけでした。 しかし今は違います。最低の面は「ふりだしに戻る」です。

多くのWebマーケティング施策のサイコロには大きなマイナスの値はあまり刻まれていません。悪くても振る前の状態に戻す事になる「ゼロ」や、問題が起きて修正、謝罪することになる「1回休み」位でしょうか。

しかし今の人工リンクを中心としたSEOは違います。Googleから大きなペナルティを受けて数ヶ月にわたってマイナスを受ける事例が非常に多く発生しています。 サイコロの出目の最高値を調べても、その価値はわかりません。注意しないとならないのは致命的なリスクが発生する確率です。 スパムに対する対応をどんどん変化させているGoogleは今後どのような目を用意してくるかわかりません。「100回休む」でしょうか。それとも「ゲームオーバー」でしょうか? しかもその値は、最初にプラスが出ても、後でプラスはゼロに、そしてマイナスに変化しがちです。

技術力の高い人工リンクのSEO会社は、ゼロやマイナスの出る可能性を最大限減らしています。しかしマイナスの面を放置してプラスの面だけを見せる会社が多いです。そしてそのふたつの違いを見極めることはとても難しいのです。 もちろん、マイナスもあり得るサイコロを振るべき事もあるでしょう。 いくつもの双六を同時に行なっているなら。スタートに戻っても痛くない序盤やどうなっても良いコマがあるなら。数ヶ月で終わる短いゲームなら。しかしそうではないのならば将来に及ぶリスクのあるサイコロは振るべきではありませんし、多くの企業サイトでは上記のようなケースは少ないはずです。

一方、検索流入を増やすための地道な施策のサイコロは普通の6面ダイスのようなものです。大きくも成長できませんが、着実に進むことができます。そして何度も振っているうちに5や6が出やすい振り方も学ぶことができますし、たくさんの数のサイコロを振れるようにもなります。 そして、もっと人工リンクではないSEOのプロが増えた後でレベルが高い施策を行う事で、それまで出た目を一気に倍にすることもできるかもしれません。

長い道のりのすごろくならば、どちらを選ぶべきかは明白かと考えます。 Webマーケティング施策は双六のようにゴールはありません。おそらく数年、十数年とサイコロを振り続けることになります。 長期間続く場合でも、たまに0か100しかでない博打のサイコロを振る事もあるでしょう。しかし大きなマイナスがあるサイコロを振れはしないはずです。

いま、毎日振っているサイコロはどのようなものでしょうか?もしもSEOを行なっているのであれば、一度考えてみることをお勧めします。