わたしはメールは全てGmailで読み書きしています。
自宅ではWebから、外出先でのメール確認と簡単な返信はAndroidでやっていますが、そうするとAndroidは中々やっかいな部分があるのですよね。
たとえば。急ぎではないメールも未読メールとして通知される事です。多くのメールを受けるようになると、Androidを見る度に未読のアラートが出るようになります。 小一時間ミーティングをしているとあっという間に未読10通の通知で、慌てて確認すると急ぎではない用事ばかりというような事ばかりで、ストレスになります。
仕事でGmailを使う機会も増えたので、この事も含めて少しでも快適にならないかと色々と試していましたが、やっと満足できる方法に着地できました。
ポイントは「振り分け/ラベル付を最低限にして検索を使う」事なのですが、そのためには幾つかのポイントがあります。
Gmailのフィルタ文法を把握
前提としてGmailのフィルタの独特の文法は理解しましょう。 Gmailの活用はフィルタ活用次第、と思っています。
Gmailのフィルタは、fromやto、件名についての設定部分がありますが、「含む」にGmailフィルターの文法で書く事だけ使うべきと思います。そうすると過去のメールの検索にもフィルターを使って効率よく探せるようになります。
実際の文法で、私がよく使うものは下記です。
- 『to:メールアドレス』でtoに入れたのと同じ。同様に『from:メールアドレス』『subject:文字列』でfrom、件名と同じ。
- 『-』を頭につけると除外設定。例えば、『-from:@example.com』でexample.com以外から来たメールとなる。
- ()で囲んで、スペースで2つ以上の条件を書くとand処理。例えば、『(from:example.com -from:tsuji@example.com)』で、example.comだけどもtsuji@example.comではないメールアドレスから来たメールが対象となる。
- {}で囲んで、スペースで2つ以上の条件を書くとor処理。例えば、『{from:example.com subject:hoge}』だと、 example.comから来たメールか、メールタイトルにhogeが含まれる場合が対象となる。
- {}や()で、条件は続けて書ける。例えば『from:{taro@sample.com hanako@example.com}』で、taro@example.com hanako@example.comのどちらかからきたメールとなる。
- subjectの文言など、スペースが入るものを指定する場合は""(ダブルクォーテーション)を使う。例えば『subject:"New messages from"』などのように。『subject:{"Mail 通信" "至急 メール"}』などのようにすることも可能。
- 上記の条件は組み合わせ可能。例えば『(from:facebookmail.com subject:{"New messages from" "からの新着メッセージです!"})』では、facebookmail.comというドメインから来たメールで、タイトルに「New messages from」か「からの新着メッセージです!」が含まれているメールが対象となる。
まぁ複雑のように見えますが、慣れれば簡単です。 この文法を覚えておくと、「あまり振り分けを使わずに検索でメールを探す」のがとても楽になるのです。
狙ったようなフィルターにならない場合は、大概は(){}の誤りか、スペースがうまく入っていないだけと思いますので、ご確認ください。
シンプルな振り分け
Gmail振り分けの使い方で問題になるのは、しっかり振り分けをしようとして複雑になってしまって把握できなくなるケースが多いように思います。 そのため、振り分けは可能な限りシンプルにしましょう。
私は、読む必要があるメールは全て受信箱に未読で入るようにしてあります。未対応のメールは受信箱に残し、残りは全部アーカイブしておきます。 そのためには、フィルターでの振り分けを「すぐに読む」「読む」「あとでまとめて読む」「読まない」「スパム」の5つの振り分けに使います。
「すぐに読む」のは、未読のままで受信箱に入るメールで、仕事関連のメールなどが該当します。 「読む」は大至急ではないものの読む必要があるメールで、既読状態で受信箱に入るようにします。読むメールの大半ですね。 残りの「あとでまとめて読む」「読まない」は、受信トレイに入らないようにしてしまいます。そのためにフィルターで「既読にする」「スキップする」としてしまいます。
「あとでまとめて読む」メールは、ラベルを付けておくといいでしょう。
読まなくて良く、後で探す事がないようなメールは、どんどん「スパム」にしていきます。 これは、フィルタを使うよりも迷惑メール報告をかけていく方が良いでしょう。
フィルタ設定は項目を減らす
フィルタを設定するとき、『from:hoge@example.com』と単一指定で沢山の設定を作るか、『from:{hoge@example1.com hoge@example2.com hoge@example3.com hoge@example3.com}』と1つの設定に沢山の指定を入れるかで迷いました。両方ともやってみて、私は後者をお勧めします。前者ですと、どこに設定があるかわからなくなってメンテナンスができなくなってしまい、両方やってみて、後者のほうがメンテナンスが楽でした。
なお、フィルタの制限としては、ある程度の文字数を超えてはならないようですが、1400文字程度は通ります。メールアドレスだけならば50-60は1つの設定に入るはずです。
下は、私の「読まない」のフィルタですが、この位の量が限界のはずですのでご注意ください。
2つのメールアドレスの使い分け
「すぐに読む」「読む」メールの振り分けのためには、メールアドレスを二つ使い分けるのが一番と思います。 サブのメールアカウントをとり、Webサービス系やメーリングリストなどは、全てそちらのメールアドレスに登録変更した上で、 上がサブメールアドレス、下がメインメールアドレスです。上のサブメールアドレス宛は「既読にする」と設定しておきます。私は今のところ、メインメールアドレスにスパムは来たことがありませんので、メインメールアドレスに来たメールは「迷惑メールにしない」としています。 Androidに通知が来るのは未読メールだけですので、サブメールアドレスに来たメールは、全てAndroidで通知されません。Gmailを開くと、受信トレイには入っていますので確認できますね。
ラベルは「検索ショートカット」
Gmailの長所は検索です。基本的に振り分けをするよりも検索して調べるように出来ていると思います。 検索でも上記で書きましたフィルター文法が有効ですので、それを活かせば過去のメールでもすぐに出てきます。
ひとまずラベル振り分けは無しにして、検索して見る機会が多くなったら後からラベルを設定する形でいいのではないでしょうか。 ラベルは、受信時振り分けというよりも「よく使う検索のショートカット」として使うイメージです。
実際の私のラベルは、下記のように分けています。
- メモ:自分の住所など、メモがわりに使うメールを手動で振り分けています。
- 仕事用:下層ラベルも作ってで案件別に振り分け。
- すぐ読む:未読として受信箱に入れたいメールに設定するフィルタです。ラベルをつける必要はないですが、わかりやすくするために。
- 読む:これも同様。ラベルを付ける必要はないですがわかりやすくするためです。
- 後で読む:メーリングリストなどをフィルタで振り分けています。
- 読まない:読まないけれども受信していたいメールをフィルタで振り分けます
- スパム捕獲:スパム対策。後述します。
仕事用の部分だけ下層にいくつかラベルを作っていますが、他は本当にばっさりと切り分けています。
以前は振り分け/ラベル付けを色々と設定していましたが、振り分けルールがどんどん増えて行って様々なラベルに混乱してしまうようになってから、一度全削除して上記のルールでやってみました。全く支障がなかったですし、設定を変更するときも簡単になりました。
2段階スパム対応
迷惑メール報告をどんどん使っていくと、多くのメールが迷惑メールに入って行きます。 それを確認するのも、中々大変です。 絶対読まないメールを直接削除というフィルターを作ってしまってもいいのですが、必要なメールが迷惑メールになることもありますし、メールマガジンなどざっとタイトルで確認しておきたいメールもありますので、私は削除はせずに週に一度は確認して削除をします。
少しでもこの迷惑メール確認の作業を減らすためには、下記のようなフィルターを設定します。 黒四角にはメインメールアドレスが、ぼかしにはここに表示するのも控えたくなる、迷惑メールによくある文字を入れておきます。例えば『VIAGRA』などですね。 これで本来は迷惑メールに行くはずのメールが、別のフォルダに格納されます。重要なメールが入る可能性が低い「悪質な迷惑メール」が格納されますので、月に一度でもざっと見て迷惑メール報告の上、削除します。
「in:spam」は、迷惑メールのみを対象とするものです。 単に文字列で削除にすると必要なメールも見逃す可能性があります。親切心から私に精力の薬を薦めてくれる友人もいるかもしれません。大きなお世話です。
Gmailが迷惑メールと判断して、さらにそういうワードを含んでいれば、そういうリスクもほぼ無くなるでしょう。 しばらくこの設定を使っていますが、誤判断はないようです。
スター機能の利用
私は、大切なメールをスルーしてしまうことが万が一にも無いように、スター機能を使っています。
私は受信トレイを「未対応」のメールを残すようにしていますが、それだけでは1ヶ月後に行うようなメールが沢山入ると、受信トレイが長くなってしまいますし、タスクをどんどん返信して消していき真っ白にする快感も減ってしまいます。 そのような「後で対応」は、全てスターを付けて「アーカイブ」しておきます。その上で、PCからGmailを開くときのブックマークURLは、Gmailトップではなく「スター付き」ページにしておくことで忘れることも少ないでしょうし、お客様からのメールを見逃す可能性はさらに減ります。
このように、お客様からのメールや大切な人からのメールにはスターが自動的につくようにして、対応したらスターも消すようにしておけば、対応漏れは防げると思います。
また、Androidで前のメールを確認するときも、スターを付けておけば簡単ですね。特に、一ヶ月後のイベントの通知メールなどは、スターを付けておけば当日にすぐに拾えて安心です。
これを行うと振り分けが複雑になってしまいますし、対応した時にスターを消すのを忘れてしまって混乱する事も多いので、あまりお勧めではないです。しかし、重要な仕事関連のメールをスルーする事が無いようにするためには、有効と思います。
以上です。 一度、振り分けルールを全部消して「すぐに読む」「読む」「あとでまとめて読む」「読まない」の4振り分けだけに変えてしまって、フィルタでの検索で探すようにしているうちに、良い感じになってくるのでは、と思います。
なお、その時は念のためにGmailのLabsの「フィルタのインポート/エクスポート」を使うことをお勧めします。 この機能で既存のフィルタをエクスポートしておけば、使いづらかった時にはすぐに元に戻せます。
せっかく試す事ができる機能もあることですし、一度お試しください。